2018.1.11
喫煙
その他
少し古い記事になりますが、今回は喫煙に関してです。
2017年10月5日、東京都議会で「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」が可決しました。 その後も喫煙に関しては、国際オリンピック委員会(IOC)が2020年の東京五輪・パラリンピックを「たばこのない五輪」を目指していることから、受動喫煙に関して、新聞などで取り上げられているのをよく目にします。2017年6月19日付のJB Press の記事では審議される予定であった受動喫煙防止法の国会への提出が見送られ、さらに「IQOS(アイコス)」等の加熱式タバコの発売により受動喫煙防止法に関する更なる議論が必要となっています。
次にタバコと加熱式タバコによる健康問題に変化はみられるのでしょうか。2017年11月24日付のHealth Pressの記事では、新型タバコ(電子タバコ、非燃焼・加熱式タバコ)の使用者が「これまでのタバコより健康リスクが少ない」「受動喫煙の危険性もない」と話しているのを耳にするそうです。
では実際はどうでしょうか。11月11日から15日に行われた米国心臓協会(AHA)の年次集会の場でIQOS(アイコス)は血管に悪影響を及ぼすと発表しています。カルフォルニア大学サンフランシスコ校医学部循環器内科教授、Matthew Springer氏の話では加熱式タバコの水蒸気に色々な化学物質を含んでおり、その中でもニコチンが影響を及ぼしているのではないかと述べています。さらに、AHAの発表前の2017年10月31日、一般社団法人日本呼吸器学会が「非燃焼・加熱式タバコや電子タバコに関する日本呼吸器学会の見解」を発表、その中で1.非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用は、健康に悪影響がもたらされる可能性がある。2.非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用者が呼出したエアロゾルは周囲に拡散する為、受動吸引による健康被害が生じる可能性がある。従来の燃焼式タバコと同様に、すべての飲食店やバーを含む公共の場所、公共交通機関での使用は認められないと発表しています。その理由として、非燃焼・加熱式タバコの主流煙中に燃焼式タバコとほぼ同レベルのニコチンや揮発性化合物(アクロレイン、ホルムアルデヒド)、約3倍のアセナフテン(多芳香環炭化水素物)等の有害物質が含まれていることをあげています。
一方、毎日新聞では、「タバコ・コントロール」誌に掲載された米ショージタウン大学医療センターなどの科学者チームが実施した研究で、喫煙者が従来のタバコから電子タバコに切り替えた場合、今後10年間に米国で最大660万人の早死にが回避される可能性があると発表しています。この調査では、最悪と最良のシナリオを使って、米国でタバコが電子タバコに切り替わった場合の公衆の健康への影響をモデル分析し、その結果、最も楽観的なシナリオでは660万人について、若年の死亡が回避できたとの事です。
以上のように、非燃焼・加熱式タバコに関して多様な意見が出ていますが、皆さんはどの様に考えますか。以下に参考記事のリンクを記載しましたので、是非ご覧ください。
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21918250V01C17A0000000/
JB Press
http://news.livedoor.com/article/detail/13221053/
Health Press
http://healthpress.jp/2017/11/post-3371.html
毎日新聞