2017.11.6
梅毒
その他
梅毒の感染が全国的に広がっています。2017年10月31日の朝日新聞の記事によりますと、10月31日に国立感染症研究所が発表した患者数は10月22日までで計4568人。この数字は昨年1年間の患者数、4518人をすでに上回っており更なる増加が見込まれています。
都道府県別では東京都が最も多く次いで大阪、愛知、神奈川、福岡と続いていますが、岡山県と熊本県は昨年の3倍、広島県、青森県、山口県は昨年の2倍にも増加しています。
性別で見てみると女性は20代に多く、男性は20~40代に多く、性産業に従事する人とそのお客の間で広がっている可能性があると指摘されています.
梅毒は、「梅毒トレポネーマ」が原因で起こる感染症で、皮膚や粘膜の小さな傷口から侵入して発症する感染症です。妊婦が感染していると、胎児に母子感染することもあります。
梅毒の感染により現れる症状は、第1期と呼ばれる感染後3週間から3ヵ月の間には、米粒から大豆くらいの大きさのしこりが現れその後潰瘍になっていきます。感染後3ヵ月から3年までの第2期では血液の循環によって病原体が全身に広がっていく為、リンパの腫れ、関節痛、発熱、倦怠感、脱毛の他、体全体に「バラ疹」と呼ばれる赤い斑点や赤茶色に盛り上がった発疹(丘疹)が現れます宇。感染後3~10年の第3期では皮下組織に「結節性梅毒」と呼ばれる大き目のしこりや「ゴム腫」と呼ばれるこぶができ、感染後10年以降の第4期では、脳や脊髄が侵され、進行麻痺や痴呆などが起きたり、心臓血管系が侵されることにより、大動脈炎や大動脈瘤を発症したりすることがあります。
梅毒の治療にはペニシリンが使われ、治療時期が遅いほど治療期間が長くなりますし、第1期、第2期は感染力が強いため、治療が終わるまでは性的接触を避けることが感染の予防になってきます。また、ご自身で梅毒感染の疑いがある方は早い時期に治療を開始しましょう。
参考文献
朝日新聞:http://www.asahi.com/articles/ASKB05TBBKB0UBQU00S.html?iref=com_apitop
毎日新聞:https://mainichi.jp/articles/20170826/ddl/k02/040/046000c