2019.3.1
食べるの大好き院長の狂犬病と狂犬病ワクチン その1
海外渡航者ワクチン
最近、狂犬病ワクチンについて、質問を受ける機会がよくあり、それゆえ、ちょっと狂犬病について触れようかと思います。
狂犬病って??
狂犬病とは、狂犬病ウィルスによる感染症です。狂犬病ウィルスに感染している動物に噛まれたり、傷口をなめられたりすること(唾液の中にもウィルスが存在するため)で感染し、発症した場合、ほぼ100%死亡するという恐ろしい病気です。狂犬病ウィルスを媒介する生き物は、犬だけでなく哺乳類全般が対象となり、猫やキツネ、コウモリ、アライグマ、マングースなどなどが感染源の対象となっております。大雑把に言うと、毛の生えた動物ですね。なぜ、“狂犬病”と犬に限定したかのような病名なのかは分かりませんが、犬だけではないことを知って頂きたいと思います。
日本は、狂犬病がない地域とされています。日本以外にもグアム、ハワイ諸島、フィジー諸島、オーストラリア、ニュージーランド、英国の一部、アイルランド、アイスランド、スウェーデン、ノルウェーの一部が、狂犬病のないところと厚生労働省が指定しています。
ということは、これ以外の地域には、狂犬病にかかるリスクがあるということです!なんて、ポピュラーな感染症なんでしょう!
では、狂犬病にかかったら??
狂犬病ウィルスに感染した動物に噛まれたりした部位や程度によりますが、感染から発症まで(潜伏期間)は、通常1~3か月といわれています。まれにですが、1週間から1年を経ての発症報告もあります。発症すると痛みを伴う発熱と、創部の異常または原因不明の穿刺痛、灼熱感の感覚異常が現れます。そして、ウィルスが脳などの中枢神経に広がっていくと、興奮状態や水や風への恐怖、筋肉の麻痺、昏睡状態、などの症状が出て、そしてゆっくり進行し最終的に死に至ります。発症すると治療法はなく、かなり怖い病気です。
では、動物に噛まれたり、ひっかかれたりした時は、どう対応したらいいのでしょうか??
ワクチンを事前に接種している、していないに関係なく、この時の対処がかなりのポイントで重要です!!
まず、傷口をきれいな流水で石鹸を使用し15分以上洗浄し消毒、できるだけ早く医療機関に駆け込む!そして、発症しないようにワクチンを数回にわたり接種をする!また、可能な限りその動物を捕獲し、狂犬病に感染しているかどうか経過を見る。
暴露後(狂犬病に感染の可能性が起こった後)のワクチン接種については、この次に!