2018.8.21
医療搬送あれこれ その6
医療搬送
国際医療搬送の中で、日本の医療サービスって本当にきめ細やかだなぁと思う事。その一つに、病院で出てくる食事について。お国柄をよく表す一つとして食事がありますが、病院食を取り上げてみても、面白い。日本の病院食は管理栄養士さんが栄養素やカロリー、おかゆ、軟菜食などの食事の形態などを考えて、バランスよくかつ食べやすくした状態で、患者様に出てきます。まあ、病院食なので、「美味しくないよね」や「味が薄い」などの意見も多々ありますが、日々進化していて、最近じゃあそこそこの物が食べれるかなぁと感じます。管理栄養士の皆さんありがとうございます。しかし、これが海外ではやはりお国の特色が出ています。いくつか例を挙げると、まずはバングラデシュ。バングラデシュにボランティアに行かれた方が負傷して入院され、そこでの食事ですが、やっぱりカレーがメイン。食事回数も含め1日に4~5回も出てきたそうです。一回の食事の量は多くはないけれど、食事回数が多い上に油の多いものが多く、げんなりしたとの事でした。また、先日、ヨーロッパからのトランジットUAE,ドバイでケガをされ入院されたシニアの方の例です。空港内の事故だったため、外国人特区内の病院ではなく、地元の病院に搬送され、入院。病院食はもちろんアラビア料理。入院当初は食事が殆ど取れない状態だったのが、やっと食事がとれるようになり、出てきた食事がガッツリ普通食。チキン?ビリヤニ(焼き飯みたいな料理)などの料理が、日本人にしては大盛で出てきた感じです。見るだけでお腹一杯になりそうな食事です。この様な感じで、病院食も土地柄が出ます。まあ、もちろんの事に思いますが、病気やケガをされた日本人にとっては、かなり食べる事が厳しいという声を多々聞きます。日本であれば、しばらく食事をとれていない方は、消化の良い3分粥などから始まり、徐々に形態をアップさせて普通食などにするのですが、海外では、いきなり普通食の場合もあります。また日本では、シニアの患者様には、嚥下障害なども考えて注意しつつ食事を出していきますし、病院によっては、NST(Nutrition Support Team)が介入し、食事をとれない患者様に栄養を取ってもらえるような事まで行います。日本では、食事においても治療の一環と考え、きめ細やかなサービスを提供していますが、海外に出るとそうではないところもあります。海外で入院されて、困る物の一つとして病院食ですね。海外に出られる方は、滞在先で入院されないように健康管理などに気を付けて下さい。