2019.3.28
寒さは苦手、南国好き看護師 その3 ~エスコートドクター・ナースに国境はなし~
医療搬送
満開の桜とともに外国人観光客数が急増していますね!当院から程近い銀座や東京エリアでも日本人より外国人の方が多いんじゃないかってくらい毎日見かけます!ちなみに当院では通常の内科診療も国籍問わず行っておりますので、いつでもお気軽にお越しくださいね!
さて、前回お話ししました医療搬送の中でも、日本人患者さんが外国から民間の航空機に搭乗し、自国の日本へ帰国される付き添いケースについてもう少し続きのお話を。
民間機、つまり通常みなさんが搭乗されている飛行機に患者さんが搭乗するって想像つきますか?皆さんが想像される以上に、めちゃくちゃ多くの事前の準備と多くのスタッフの協力が必要となります。最近空港はどこもかなり規制が厳しくなってきてますので、救急車のストレッチャーで進むことができるエリアと、航空会社もしくは空港が持ち合わせている車いすやフルリクライニング車いす(車いすの背もたれが、ほぼフラットに近い角度まで倒すことができ、ストレッチャーのような形になります)を使用しないといけないエリアがあります。もちろん一般の方々と少し通るルートは異なりますが、みなさんと同じように、荷物チェックやボディーチェック、イミグレーションも通過します。これがなかなか大変です。移動手段の乗り換えは、意識がなかったり,自身で動くことができない患者さんはその都度空港やエアラインのスタッフの力を借りながら数名で抱えます。機内の通路や狭い場所も車いす等は通れないので、同じく持ち上げて人力で運びます。そのために常時最も負担の少ない導線を考え、
シートをブッキングします。大体は一般の搭乗客の方になるべく迷惑が掛からないよう、最初に搭乗し、最後に降機します。エスコート側としては搭乗する時が一番緊張します。みなさんなぜだと思いますか?私たちメディカルチームは、一般搭乗客の方々ともちろん同じ搭乗客であり、私たちが搭乗しているがために出発が遅れる等のご迷惑をおかけするわけにはいかないからです。一般の方の搭乗が開始している中、急ピッチで座席に患者さんを固定し、医療機器のセッテイングを行い、荷物の整理をします。フライト時間によっても準備態勢が全く変わってきます。
薬剤を持続点滴しながら、医療機器をつないだまま、酸素ボンベから酸素を吸入しながらのフライトは、セッテイングも入念に行います。
ちなみに搭乗する際、モニターやポンプ等の医療機器や人工呼吸器等のモニタリングは、エスコートの私たちが行いますが、患者さんを担いで運んでくれるのは、写真のような屈強な航空会社や救急車のスタッフたちです。女の私たちはいつも見守りに転じています。毎回お世話
になり有難い限りで、こうして多くの方々の協力で毎回無事に帰国できています。