2019.3.5
食べるの大好き院長の狂犬病と狂犬病ワクチン その2
海外渡航者ワクチン
前回は、狂犬病についてと噛まれたりした時のその対処法をお伝えしました。
今回は、狂犬病ワクチンについて、少しお伝えしようかと思います。
まず、狂犬病に感染する可能性のある事が起こった時について。
もちろん、まずはきれいな水と石鹸による洗浄した後に、直ぐに医療機関へ行き、狂犬病を発症しないようにワクチンを数回接種します。接種の仕方は、いくつかの方法があります。例えば、狂犬病のワクチン接種をしていない人のケースで、世界基準としてWHO/Essen法では、以下のような5回接種になります。
また、その負傷個所やその傷の程度などで、初日にグロブリン投与(血液製剤になります)の必要性も検討されます。
このように事前にワクチンを接種しているかしないかで、噛まれた後のワクチン接種は変わってきます。また、事前にワクチン接種をして、免疫を獲得していると、やはり発症のリスクも下がることを考えると、渡航前に狂犬病ワクチンの接種も考えた方がいいのかな?って思います。
次に、渡航前の事前の狂犬病ワクチン接種について。
日本では、大きく分けて国産のワクチンと輸入のワクチンがあります。
「どちらがいいの?」ということですが、海外に出る場合には、WHOが認めている輸入ワクチンを当クリニックでお勧めをしています。というのも、日本の狂犬病ワクチンは、WHOが認めておらず、海外に出たときに日本のワクチンが、ワクチンとして認められないケースがあるためです。
そうなると、狂犬病にかかる恐れのある事が生じた場合に、発症しないように速やかに狂犬病ワクチンを数日かけて数回接種するのですが、日本のワクチンを認められなければ、接種していない人と同じようなワクチン接種の数を言われることがあります。
もちろん、日本の狂犬病ワクチン接種で、免疫は獲得しているので、発症のリスクは下がっているとは思いますが、ワクチンをたくさん受けないといけなくなるのは、費用的なことや苦痛など伴うかと思います。
また、事前の接種回数も日本と輸入のワクチン(当クリニックのものと比較)は違います。
日本の狂犬病ワクチンは、初回、4週後、6か月から1年後の3回接種となります。当クリニックの輸入ワクチンでは、初回、7日後の2回接種(動物に触れるような職業など一定の条件の方以外の通常の渡航の場合)で済みます。
日本のワクチンと輸入のワクチン、それぞれ良し悪しあるかと思いますので、ご相談頂ければと思います。
堅苦し~い、まじめなお話になってしまいましたが、読んで頂ければと思います!