インターナショナルヘルスケアクリニック

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2020.6.15

国際医療搬送のご報告 ⑦

医療搬送

先日、クラウドファウンディングの資金を活用した韓国への国際医療搬送を行いましたのでご報告致します。

2020年6月11日~12日、東京都内の病院から韓国の病院への転院です。

今回は日本にいらっしゃる患者様のご親戚様より、ご相談を頂きました。患者様は20代の日本語学校に通学されている学生さんです。本人と連絡が取れないとの事で、ご親戚様がアパートに訪問し、自宅で倒れている患者様を発見しました。患者様は、直ぐに近くの病院に救急搬送され入院されました。

その後、適切な治療を受けられ、状態は安定し、今後の治療をとこで受けるかという事になり、母国の韓国へ帰り治療を継続する選択肢を取られたようです。

今回の医療搬送は、患者様の状態は安定されていたものの、発症後2週間内であり、またその原因も明確にされていなかったため、移送中の万が一を考慮し、医師と看護師の2名による付き添いとなりました。

新型コロナウィルスの状況の中ではありましたが、ご本人のリハビリや原因の検索のため早く母国へ帰国し、検査や治療を受けることが最善と判断し、出来るだけ早い時期に移送を行うと計画しました。

御相談を頂き1週間ほどで、移送の決行となったのですが、COVID19の状況でいつもと違う準備が必要で、バタバタでした。新型コロナウィルスのPCR検査を受け、それとともに韓国領事館へ行き、ビザ申請を行いました。領事の方が迅速に対応して下さり、ビザはすぐに発行されました。そして、ビザ発行の翌日の夕方には、民間救急車で病院から成田空港へ、成田空港から仁川空港へは民間旅客機で向かいました。成田空港は、今まで見たことがないほど人はいなく、まるで眠っているかのように静かでそして寂しい姿でした。そんな空港の中を車いすで移動し、カウンターでチェックインを済ませ、救護室で待機し、その後搭乗口に移動し機内へ。時間通りに離陸しました。機内では感染対策として、CAさんは手袋とフェイスガードをまとい、食事も使い捨ての容器で出てきました。食事の見た目は少し味気ない感じでしたが、患者様はおいしそうに食べておられました。やはり、病院食よりは、良かったのかと思います。2時間ちょっとのフライトで、仁川空港に到着しました。患者様と私たちは、機内で待機し、患者様は検疫の方のチェックを受けた後、機内まで迎えに来た韓国の救急隊と一緒に機体に横付けした救急車に乗り、入院先病院へ向かいました。私たちは、機内で韓国側の救急隊にバトンタッチしたので、医療搬送終了となりましたが、患者様はその後、救急車で5時間の陸路移動し、入院先病院へ向かいました。というのも、検疫の関係で、韓国内のフライトは乗れないため、救急車で行くしかなかったのです。ご親戚様から「無事に病院に到着した。」とのご連絡を頂きました。しかし、やはり検疫の関係で、「患者様のご両親は、いまだ患者様に会えていない」との事でした。患者様もこの長い移動で、かなり疲れたと思いますが、ご両親の元、住み慣れた街で、安心して治療を受けることができるだろうと思います。