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国際医療搬送のあれこれ その4

ゴールデンウィークも終わり日常へ戻り、少し寂しく感じる方や気持ちを切り替えてお仕事や勉学に頑張ろう!という方など、様々なお気持ちを持たれているかと思います。

前回のその3では、少し緩い感じの裏話でしたが、今回は日本にいらっしゃった外国人の方のお話をしたいと思います。

近年、多くの外国人の方が、様々な理由で日本に滞在しています。旅行やお仕事、勉強などを目的とし、短期で滞在される方、また長期で滞在される方など様々です。私達日本人が海外で病気やケガをするのと同じく、外国籍の方も日本で同じように病気やケガをされて、日本の医療機関にかかることがあります。風邪などの軽い症状のものから、肺炎や心筋梗塞、脳梗塞、交通事故など重症で病院に入院するケースがあります。その中で、重症となった方のお話です。

中年男性の外国籍の方です。本国を離れ、ご家族と日本に来日、お仕事をされていました。長く日本にいましたが、体調を少し崩され病院を受診し、軽度の症状でしたが、人に移す可能性のある感染症の為、入院治療を受けました。その入院中に脳卒中を起こされました。一命はとりとめ、人工呼吸器も外れ全身状態も安定しているのですが、意識の回復はなく、痛みの刺激で顔を歪める程の反応しか出来ません。長期での治療が必要な状態です。日本の健康保険証を持っていたので、日本人と同じような費用で治療を受ける事が出来ていたのですが、長期になると仕事が出来ず、また日本の滞在ビザも切れてしまう為、健康保険証が使えなくなり、医療費を全額自己負担で支払わなくてはならない状況になるところでした。医療費の支払いの問題と長期療養が必要な理由で、患者様の本国に医療搬送を行う事となりました。

患者様は、長期療養の安定期に入っていますが、意識がない為、座る事もできませんので、飛行機内はストレッチャー(エコノミー席の部分をベッドにしてもらった状態)を使用しての搬送となりました。色々なリスクもありましたが、搬送は問題なく終了し、本国に着いてご家族も安心されたようです。本国のご家族に囲まれて、リハビリされて少しでも回復して頂ければと願うばかりです。

この様に外国籍の方も日本で大変な思いをすることもあります。また、日本においても外国籍の方の医療提供のあり方が、大きな問題になってきている現状があります。外国籍の方の医療費支払いの問題や、医療機関へのかかり方など、今後2020年のオリンピックも控えており、どんどん訪日外国人が増えることが予測され、早急の対応が必要かと思われます。日本での外国人診療については、また別の機会に書いてみたいと思います。

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